交通犯罪被害者相談ルーム


 

 

誰も犯罪被害者が理解できるように説明してくれない

私が,「交通死被害者の会」(TAV)定例会でAさん(小学校に入学したばかりの娘を交通犯罪で亡くしたお母さん)とお話していて,Aさんは,警察や検察で,加害者(被疑者)が今後どうやって処罰されるかの説明を聞き,さらに,Aさんが依頼した弁護士からも,その点について説明を受けているはずなのに,ほとんど何も理解されていないことがわかりました。おそらく,誰も,Aさんに対し,犯罪被害者の立場に立った説明が行わなかったものと思われます。

早期の支援が必要

Nさんは,その5歳の子(S君)を交通犯罪で殺されたのですが,その加害者 (被疑者)は,既に,不起訴となっていました。Nさんから相談があった際,い ったん被疑者が不起訴処分となると,それを覆すのはかなり難しいと説明したので すが,Nさんが私に「息子の仇を取って欲しい。」と言われたので,私は事件を受任しました。そして,調査したところ,その事件の加害者(被疑者)は,S君が保育園から道路に飛び出したと供述し,他方,目撃者であるS君のお母さん(Nさんの元妻)の証言は変遷しており信用できないとされていました(いわゆる「死人に口なし捜査」)。そこで,私は,そのお母さんの証言を固めて,検察審査会へ審査の 申立を行いました。しかし,事件発生直後の捜査で捜査機関が収集した証拠が決め手になって,結局,不起訴処分を覆すことはできませんでした。このように,捜査機関が証拠を収集するのと並行して,被害者側でも,できるだけ速やかに証拠を集める,目撃者から話を聞いて書面化して検察庁に提出することなどが,是非とも,必要なのです。

要するに,事件発生からできる限り早い時期に,犯罪被害者支援制度と犯罪被害 者支援活動に詳しい弁護士が,被害者支援活動を開始することの必要性を痛感し, 交通犯罪被害者相談ルームを立ち上げました。

その他の費用について


弁護士に事件を依頼する場合、着手金と報酬金が必要となります。さらに実費が必要となります。

 

(1)被害者参加

  ①加害者が自らの罪を認めているなど簡易な事件

   着手金31万5000円(消費税込み),報酬金31万5000円(消費税込み)

  ②①以外の困難な事件

   着手金52万5000円(消費税込み),報酬金52万5000円(消費税込み)

 

(2)損害賠償命令申立

 

(3)損害賠償請求

 

(2)と(3)に関しては,以下の表によって,着手金,報酬金を算出します。

 

着手金と報酬の計算方法(消費税別)
経済的利益 着手金 報酬金
300万円以下の場合 8% 16%
300万円~3,000万円以下 5% + 9万円 10% + 18万円
3,000万円超~3億円まで 3% + 69万円 6% + 138万円
3億円を超える場合 2% + 369万円 4% + 738万円

 

※ 経済的利益とは、その訴訟等で請求する額などをいいます。

例えば,加害者に対し1億円の損害賠償請求する場合,着手金は,369万円(消費税別)となります。ただ,損賠賠償命令申立や損害賠償請求(民事裁判)においては,損害額の10%程度が弁護士費用として認められます。つまり,弁護士費用相当額を加害者に負担させることができ,被害者の負担は,実質的にはゼロ円に近いのです。

 

なお,資力が乏しい被害者(預貯金等が150万円以下)には,国選被害者参加弁 護士制度の利用(完全に無償),被害者参加以外の被害者支援活動には,日本司法センター(法テラス)による法律援助事業によって,弁護士費用の立て替えが認められます。